普段生活する中で家具を移動させる時にうっかり床に傷をつけてしまったり、アイロンを床においてしまったりして傷つけた経験はありませんか?こういった傷をそのまま放置するとより状況が悪化したり、賃貸物件の場合は退去費用が多くかかってしまいます。
一定の条件はありますが、床の傷に対して火災保険が利用できるケースもあります。今回の記事では床に傷をつけてしまった場合、火災保険が使えるかどうかというテーマで解説します。
床の傷やへこみは火災保険で申請できるか?
まず、皆さんのご自宅の床を見てください。物を落としたりして床に傷やへこみがついていないでしょうか?引越しや模様替えの際に床を傷つけてしまった場合でも、火災保険が使える場合があります。ただし、以下の条件を満たす必要があります。
・「故意的ではなく、突発的に発生した損害」であること
・「破損・汚損の補償又は不測かつ突発的な事故の特約が付いている」こと
どんな火災保険でも適用されるというわけではなく、破損・汚損の補償がついていない場合は、自然災害による傷以外は補償対象になりません。加入している火災保険に上記の補償が付帯されているかをあらかじめ確認しましょう。もし付帯されていない場合は、途中から追加することも可能なので検討することをおすすめします。
様々なケースで火災保険が使える
実はこの破損・汚損の補償が付帯されている保険は床だけでなく、壁や天井、外壁なども対象になります。以下は、破損・汚損の補償が適用された過去の一例となります。
・家具をの配置換えをするときに角をフローリングや畳にぶつけてしまった。
・大掃除の際に誤って壁に穴をあけてしまった。
・アイロンを誤って床に置いてしまった。
・子どもが遊んでいると、おもちゃが当たってしまいパソコンの液晶画面が割れた。
・車を駐車する際に門扉にぶつけてしまい、門に傷がついた
・タバコを落としてフローリングが焦げた。
・扉にぶつかり、ガラスが割れた。
・子どもが便器の上に登り、便座が壊れた。
火災保険は使えない、と思っていても意外にもこのように多くの場面で利用できるケースがあります。
これは一例であり、他にも利用できる場合があるので、気になる人は調べてみてください。
破損・汚損の補償が適用外になるケース
上記のように、意外にも利用できる適用範囲が広い火災保険ですが、もちろん利用できない場合も存在します。具体的には、以下のようなケースでは特約が適用されない場合があります。
経年劣化の場合
火災保険は前提として「不測かつ突発的な事故」による「破損・汚損」を対象としています。事故原因がわからなかったり、事故日が不明の場合は経年劣化と判断され、適用外となります。破損の原因やいつ起こったものか日時が明確であることが重要です。
たとえ本当に不足かつ突発的な事故だったとしても、その原因や日時が思い出せなければ火災保険を利用することはできません。もし利用できるかもと思ったときはすぐ行動に移すようにしましょう。
機能に支障がない場合
事故による破損が見た目だけの問題で、実際に機能面では特に問題がない場合は補償対象外となります。例えば、すり傷など外観だけで機能に問題がない場合などがこれにあてはまります。
あくまでもそのものがもつ機能自体に問題が発生した、支障をきたした場合に補償が適用されるので注意しましょう。
故意や重大な過失がある場合
被保険者に故意や重大な過失がある場合、保険は適用されません。保険金目当ての故意的な行為や、著しい不注意による場合がこれに該当します。
修理費用が免責金額を下回っている場合
免責金とは保険事故の際に自己負担しなければならない金額です。修理費が免責金より低い場合、補償は受けられません。保険会社によっては特別に免責金が設定されていることもあるため、申請前に確認することが重要です。
まとめ
床の傷は以下の2つの条件を満たせば火災保険の補償対象になります。
1. 不測かつ突発的に発生した損害であること
2.加入している保険に破損・汚損による損害の補償がついていること
しかし、これまで解説してきたように、保険適用になるケースとならないケースは様々で、床にできた傷が補償対象となるかどうかの判断は難しく、専門的な知識が必要です。火災保険を活用する際は、保険会社や専門家に相談することをおすすめします。